極貧層は世界人口の2割超、中国で大幅縮小 米ギャラップ
香港(CNN) 世界人口の5人に1人以上が貧困ラインを下回る生活をしていることが、米ギャラップの最新の調査で分かった。ただし、中国の状況は近年大幅に改善している。
ギャラップが世界131カ国で聴き取った自己申告の所得に基づく統計によると、1日の生活費が1.25ドル(約130円)を下回る「極貧層」の割合は、世界全体で20年間に40%から20%まで半減した。
中国では2007年の26%から12年の7%へ、5年間でほぼ4分の1に縮小した。同国では経済改革と産業化が進み、多くの農民が都会へ出て製造業などの仕事に就くようになったためとみられる。教育や医療の向上に助けられて貧困からの脱出を果たした人もいる。ギャラップは毎年、同国内だけで2000人以上に聴き取り調査を実施している。
極貧層の割合が最も高かった地域はアフリカのサハラ砂漠以南で、人口の54%に達した。特にリベリアとブルンジでは極貧層が全体の90%を占めている。
一方、米国や欧州、オーストラリア、ニュージーランドはいずれも極貧層が1%未満だった。
世界銀行は、30年までに世界の極貧層を全体の3%に縮小するとの目標を掲げている。このためにアフリカやアジアの貧困国は極貧層を半減させる必要がある。