エジプト前大統領が出廷、裁判の不当性訴え
(CNN) 2011年の脱獄事件に関連して起訴されたエジプトのムルシ前大統領の公判が28日、首都カイロの裁判所で開かれた。ムルシ氏は防音ガラスの仕切り越しに、裁判手続きの不当性を訴えた。
弁護側は、ムルシ氏が弁護士や家族との面会も許されないことに怒りを募らせていると説明した。
国営メディアの報道によると、ムルシ氏は支持母体のムスリム同胞団のメンバー18人と共に、11年に刑務所から脱獄した罪で起訴された。脱獄にはパレスチナのイスラム組織ハマスやレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラがかかわったと報じられている。
当時ムスリム同胞団は活動を禁止されていたが、11年2月のムバラク政権崩壊を受け、政治的勢力を強めていた。
ムルシ氏は12年に実施された同国初の民主選挙で大統領に就任。その1年後に事実上の軍事クーデターで失脚した。脱獄罪のほかにも、刑務所襲撃や兵士らの殺害、12年のデモに関連した殺人などの罪に問われている。
米国務省は、ムルシ氏の拘束は政治的な動機によるものだとして、エジプト軍に対し釈放を促している。
次回公判は2月22日に開かれる。