「沈黙」続くマレーシア機 捜索に悲観論
(CNN) 先月失踪したマレーシア航空370便の捜索は、新たな手掛かりのないまま33日目を迎えた。ブラックボックスから発信された可能性のある電子信号も6日以降まったく探知されず、「沈黙」の状態が続いている。
捜索に協力する米海軍第7艦隊のウィリアム・マークス中佐によれば、機体の残骸が発見されず新たな手掛かりも出てこないため、現場には「より慎重」な空気が流れている。同中佐は「時間がたつにつれ、楽観論は少しずつ遠のきつつある」と指摘した。
ブラックボックスと同じ周波数帯の信号は、まず中国の巡視船が4日と5日に探知。5日にはオーストラリア海軍の艦船が約600キロ離れた海域で受信した。機体の捜索は、オーストラリア船による受信場所の周囲で集中的に行われている。信号は半径約8キロの範囲まで届くとされる。
ブラックボックスの発信器は機体の水没と同時に信号を発し始めるよう設定されているが、保証されている電池寿命は30日。すでにその期間は過ぎている。しかし実際には40日近く作動可能とする説もあり、信号の探知を妨げる恐れのある潜水艇の投入は見送られている。
CNNで航空分野のアナリストを務めるマイルズ・オブライエン元記者は、信号が探知されながら機体の残骸が見つからないという状況について「何か想像もつかないようなことが起きたのか、あるいは信号の受信が間違いだったのか。説明が難しい」と話している。