ロシア爆撃機がオランダ領空を侵犯
(CNN) オランダ軍の報道官は23日、ロシアの爆撃機2機が同日午後、オランダ領空を侵犯したため戦闘機2機を緊急発進させ、爆撃機に領空外への飛行を促したと報告した。
オランダ領空に約800メートル入り込んだという。この爆撃機はTUー95型機で、欧米では「ベア」の名称で知られる。緊急発進したのはF―16型戦闘機。
オランダが加わる北大西洋条約機構(NATO)とロシアは現在、ウクライナ危機をめぐって緊張関係にあるが、オランダ軍報道官は今回の領空侵犯に関し異例の事ではないと冷静な受け止め方を示した。
オランダ軍戦闘機による、ロシアや他国の正体不明の航空機を確認する緊急発進の措置は推定で年間4~5回起きているとも述べた。
今回のTUー95型機による領空侵犯では、不審な航空機が英スコットランド北方に位置するNATOの警戒空域に接近したため英国空軍機も発進し、国籍などを確認した。英国防省の報道官によると、ロシアの軍用機と判明したが、英国領空の侵犯はなかったという。英国周辺に接近するロシア軍用機はこれまで国際空域にとどまるのが通例で、英領空に踏み込んだ例はないとも明かした。
同報道官はまた、ロシア海軍艦船が英国近くを航行し、英海軍駆逐艦が警戒する事態も起きたことを明らかにした。ロシア軍艦船は南へ針路をとっており、英駆逐艦が注視しているという。
ハモンド英国防相は、同国軍は常時、NATOではない軍用機や艦船の動向に対処する警戒態勢を維持しているが、今回のロシア海軍艦船の航行などは憂慮すべき事態とは受け止めていないと述べた。