キューバのカストロ前議長、「情報来ない」と苦言
キューバ・ハバナ(CNN) 病気に陥り実権を実弟に移譲していたキューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長(87)は5日までに、同国内で発生する出来事が迅速に知らされていないことへの不満を示す短文を同国共産党機関紙グランマに寄せた。
同紙の1面に署名付きで掲載された短文によると、同国の女子バレーボールチームを長年率いた男性コーチが先月31日に死去し、翌日に埋葬されたことの連絡が届くのが遅れ、弔意を示すのに手間取ったことを嘆いた。
前議長は「多くの同士は我々からの花輪がなかったことに気付いた。私は彼を常に敬愛してきたが、死去を知らされたのは数時間後だった」と不満をにじませた。
前議長は2006年、腸関連疾患を患って実弟のラウル・カストロ氏を後継者に選び、08年には議長などのトップ職から退いていた。病気の詳細は依然知られていない。
前議長はその後の数カ月間、公の場からは姿を消していたが12年に国営メディアに論評や随想を掲載し、健在ぶりを示していた。随想ではヨガや薬用植物などへの興味にも触れていた。
ただ、この投稿活動も短期間で終わっていた。
キューバの国営メディアや政府当局者は前議長をキューバ革命の歴史的指導者と位置付け、重要な政策決定では事前に相談していると説明している。
しかし、キューバと親密な関係を築く南米ボリビアのモラレス大統領は先月、スペイン誌との会見で「(フィデル氏は)国内などの出来事について最早把握していない」との見方を示していた。