「笑いながら人々に発砲」 天安門事件の米機密文書が公開
(CNN) 1989年の天安門事件から25年が経過し、当時の状況をまとめた米国防情報局(DIA)の機密文書の内容が公開された。
この機密文書によれば、民主化運動を抑え込むために北京に送り込まれてきた兵士たちは、天安門広場に集まった人々を「笑いながら」無差別に発砲していたという。またある部隊は、「デモ隊であろうがなかろうが、人の集団を見つけると手当り次第に」発砲していたという。
ただし、いずれの情報についても、最終的な評価が済んではいないとの断り書きが添えられている。
北京市内の病院に運び込まれた市民の遺体は当局に引き渡され、すぐに火葬されてしまったという医師の話もある。そこで病院関係者は後日、身元確認ができるように遺体の写真を撮ることにしたという。
数カ月後、まだ戒厳令下にあった北京の様子を伝える情報もある。
「表面上は非常に穏やかだ。割れたガラス窓はすべて取り替えられた。だが外交人員公寓のエリアでは、今も道路に戦車が通った跡が残っている」と文書には書かれている。
天安門事件の後、中国上層部はテロの発生を警戒していたとされる。文書では、幹部たちは自宅をほとんど離れようとせず、「さらなる安全対策として」車のナンバープレートを付け替えているという話も紹介されている。
また、抗議運動に加わった学生たちの摘発を続けるべきかをめぐり、中国共産党の上層部で意見の食い違いがあったという話も出てくる。ある時点では、逮捕された学生の数は留置場の収容人数を上回っていたという。
ただしどの文書にも「最終的な評価はされていない情報」であるとの断り書きがついている。なかには当時の最高実力者、鄧小平氏が「心不全で死んだ」といった話など、明らかに不正確な情報も含まれている。