ウクライナ東部で激戦か、政府「数百人殺害」 親ロ派否定
ウクライナ東部ドネツク(CNN) ウクライナ政府は4日、東部ドネツク州クラスヌイリマン、スラビャンスク両町での親ロシア派武装勢力の掃討作戦で300人以上を殺害し、少なくとも500人を負傷させたと報告した。
一方、スラビャンスク町の親ロシア派の「町長」と名乗る人物は戦闘で死亡した自派戦闘員は10人、負傷者は12人と説明。また、3日の戦闘でウクライナ軍のジェット機2機を撃墜し、戦車1両と兵員装甲輸送車4台を破壊したと主張した。4日の交戦ではウクライナのヘリコプター2機を撃ち落としたと述べた。
死傷者数などで双方の主張が食い違っているが、どちらが正しいのかは不明。ただ、ドネツクで取材中のCNN記者は激しい戦闘の中で多数の死者の遺体を確認するのは極めて困難と政府側の数字を疑問視している。その上でドネツク州での交戦はこれまでになく激化していると伝えた。
ウクライナ政府当局者によると、クラスヌイリマン町などで3日夜起きた戦闘では軍兵士2人が死亡、45人が負傷。親ロシア派勢力は病院、医療施設や娯楽施設に潜む戦術をとっていると述べた。
4日に明らかになったビデオ画像は5回にわたるロケット弾攻撃を受けた同町の病院の様子を映し出した。この病院は主に鉄道関係者に使われているもので、3日の攻撃で4人が負傷したとしている。
ウクライナ政府はまた、東部ルガンスク州で親ロシア派勢力が国境警備隊などの基地2カ所を襲撃し、制圧したと発表した。国境警備隊の基地では2日に12時間にわたる戦闘が起き、基地施設が大きく破壊されたため撤退を決めたという。