ISISが4都市を新たに制圧、首都に迫る イラク情勢
バグダッド(CNN) イラク治安当局高官によると、同国西部アンバル州の4都市が21日、国際テロ組織アルカイダ系のイスラム教スンニ派武装組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の支配下に入った。
新たに制圧されたのは、シリア国境の都市カイムとラワ、アナ、フセイバの4都市。いずれも首都バグダッドへ通じる主要道路沿いに位置し、フセイバは同市からわずか100キロしか離れていない。
国境をはさんだシリア側のデリゾール州では少なくとも3都市がISISの支配下にあるとされる。ISISがシリアからバグダッドへ侵攻するとの懸念が強まっている。
アンバル州では複数のスンニ派部族がISISを支援している模様。イラク治安当局は兵力増派の構えを示しているが、地元部族の協力が得られなければカイムの奪回は非常に困難との見方が強い。
州都ラマディの治安当局者2人がCNNに語ったところによると、カイムでは20日の戦闘開始以降、イラク軍兵士少なくとも11人が死亡、21人が負傷。一方で軍は武装勢力の攻撃拠点を砲撃し、武装勢力メンバー少なくとも20人を殺害したという。
バグダッド市内では21日、シーア派指導者サドル師の主導で民兵数千人が武器などを持って行進し、ISISに対する戦闘態勢を誇示した。参加者からは「ISISは米国が生んだテロ組織だ」と非難する声が聞かれ、オバマ米大統領が表明した軍事顧問の派遣を「必要ない」と拒否する意見も上がった。
バグダッドでは同日、シーア派地区のサドルシティなど数カ所で爆弾テロが発生し、少なくとも7人が死亡、32人が負傷した。