エボラ熱から「奇跡の生還」、米国人医師にインタビュー
(CNN) 「もうだめかもしれない」と、一時は死を覚悟していた――。西アフリカのリベリアでエボラ出血熱に感染し、生死の境をさまよいながら奇跡的に回復した米国人医師、ケント・ブラントリーさんが2日、初めて長時間のテレビ・インタビューに応じた。
ブラントリーさんは米NBCテレビの番組に出演し、リベリアでの闘病を振り返った。担当医らは死の可能性を口にしなかったが、直接聞くまでもない。「自分は死にかけていると感じた。世話をしてくれていた看護師に、あとどのくらいがんばれるか分からないと話した」という。
米インディアナ大学での医学生時代からテキサス州フォートワースにあるジョン・ピーター・スミス病院での研修医時代を通し、エボラ出血熱の知識や治療法は十分に習得していた。感染したのが米国内なら、助かるための設備も態勢も整っていたはずだ。しかしリベリアでは、病院がウイルスの温床と化し、相次いで閉鎖されるような状況だった。
エボラ出血熱に感染したのは自身の選択ではなかったが、西アフリカ行きは自ら決めた道だった。助けを必要とする人々に手を差し伸べるのが天職と感じたからだ。
キリスト教団体「サマリタンズ・パース」を通し、昨年から2年間の予定で派遣された。エボラ出血熱の流行が始まってからは診療センターの責任者を務めていた。
発症したのは7月23日の朝。目覚めた時に何となく気分が悪かった。熱は37度台。妻と2人の子どもが何日か前に帰国していたのは唯一の救いだった。この病気は数日間の潜伏期間があるものの、発症前の患者から感染する恐れはないことが分かっている。