隔離された貧民街、医師らに広がる感染――エボラ熱の最前線
リベリア・モンロビア(CNN) エボラ出血熱の感染が拡大する西アフリカのリベリアで、隔離区域として封鎖された貧民街にCNNの取材班が入った。感染国では多数の医療スタッフが死亡するなど、悲惨な状況が続いている。
リベリアの首都モンロビアの貧民街、ウェストポイントには7万人余りの住民が暮らす。 街に設けられたエボラ出血熱の治療センターが今月16日、「ウイルスは政府の作り話」などと主張する集団に襲われ、備品や器具が略奪された。これを受けて政府は先週、街全体を隔離区域に指定した。
赤いロープに仕切られ、警官が配置された隔離線。住民はその向こうに閉じ込められ、劣悪な環境の中でおびえていた。水道はなく、食料も不足している。
治療センターでは少しずつ復旧作業が進んでいるものの、基本的な設備にも事欠く状況だ。スタッフは防護服に漂白剤を吹き付け、洗って再利用する。
感染した住民にとってはセンターだけが頼りだが、ここへ逃げ込んだところでできることは限られている。ウイルスに勝つか負けるか、ただ安静にして待つしかない。
美容師のチャーミングさんは、街の外で働いて2人の子どもと年老いた両親を養っていた。街が封鎖されてから、両親の家ではすでに食料が底をついたという。