カナダ議事堂襲撃 一帯の封鎖を解除、首相「屈しない」
(CNN) カナダの首都オタワの国会議事堂と戦争記念碑で22日に発生した銃撃事件で、カナダ警察は同日夜、公衆への危険はなくなったとして現場一帯の封鎖を解除した。
オタワのジム・ワトソン市長はCNNに対して、「銃撃した犯人は1人だったようだ。犯人は死亡した」と述べた。
カナダ側から情報提供を受けた複数の米当局者によると、銃撃犯はマイケル・ゼハフ・ビボー容疑者で1982年生まれ。イスラム教に改宗し、海外で戦闘に加わることを企てたとして、カナダ当局にパスポートを押収されていた。過去に薬物使用歴があったとも伝えられている。
共犯者の存在や他に逮捕者が出たかどうかは不明。警察は捜査の詳細を23日に発表するとしている。
事件当時議事堂にいたハーパー首相は無事だった。首相は国民に向けたテレビ演説で「世界で起きているテロリストによる攻撃とカナダは無縁ではない」とした上で、「我々は屈しない」と付け加えた。
事件後にハーパー首相と電話会談したオバマ米大統領は「困難なときにカナダを支えるためにできることは何でもする」と語った。
銃撃はまず戦争記念碑で発生。同碑を護衛していたネイサン・シリロ伍長が死亡した。3人が病院で手当てを受けた。
当時現場付近にいたジャーナリストのピーター・ヘンダーソン氏によると、シリロ伍長は背中から銃撃を受けたようだったという。その後付近で訓練をしていた他の兵士が救援に駆けつけたという。
最初の銃撃から数分後には議事堂で男が発砲。建物内にいた地元紙のジョシュ・ウィングローブ記者によると、男はまず玄関ホールで発砲し、続いて廊下付近で発砲した。警察官数人が駆けつけて男に向けて数十発を発砲。銃撃戦がやむと、図書室の入り口付近に男が倒れていたという。