アフガンのケシ栽培、過去最大に 米報告
(CNN) アフガニスタンで昨年、アヘンの原料となるケシの栽培面積が過去最大に達したことが、米政府機関の新たな報告書で明らかになった。アフガンでアヘン撲滅に取り組む米国の作戦が見直しを迫られている。
米国によるアフガン復興事業の監査機関、アフガン復興担当特別査察官(SIGAR)事務所が国連薬物犯罪事務所(UNODC)の統計を基にまとめた報告書によると、昨年のケシ栽培面積は20万9000ヘクタールに上り、07年に記録した19万3000ヘクタールを超えて過去最悪の数字となった。アヘン生産額も30億ドル(約3200億円)と、前年の20億ドルをはるかに上回った。
08年にいったん「ケシ根絶」が宣言された東部ナンガルハル州では、12~13年にケシ栽培が4倍にも膨れ上がった。
アヘン取引で得られる資金の大半は、現地の武装勢力やテロ組織に流れているとみられる。米政府は、世界の非合法アヘンの8割がアフガンで生産されているとして、対策に76億ドルの予算を投じてきた。
しかし02年以降、アヘン生産がたとえ一時的にでも減少したのは、病気が発生した時か代替作物の小麦に高い値がついた時だけ。報告書は、対策の「長期的な有効性と持続性」が疑問視されると指摘する。
一方、対策に取り組んできた米国務省や国防総省は、アフガン政府からの協力が得られないことが大きな問題だと主張している。