人権問題めぐり会合、国連調査委と北朝鮮が非難の応酬
ニューヨーク(CNN) 北朝鮮における人権状況についての報告書を国連調査委員会委員長としてまとめたマイケル・カービー氏は22日、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)第1書記ら指導部が人道に反する罪の責任を取るべきだと述べるとともに、国連安全保障理事会に対し、国際刑事裁判所(ICC)で北朝鮮の人権問題を裁くべきだと訴えた。
ニューヨークで開かれた会合では、カービー氏と北朝鮮代表との間で激しい非難の応酬となったほか、脱北者2人が証言した。
この会合の数時間前には北朝鮮で拘束されていた米国人男性のジェフリー・ファウル氏が解放され、米オハイオ州に戻っていた。
カービー委員長は、最近では北朝鮮が人権問題をめぐる同国のイメージを変えようとしている様子がうかがえると指摘する。
カービー委員長はそれでも、現在の姿勢を続けるべきだと指摘。「私たちは国連の原則を体現しており、重大な犯罪については司法の場で責任を追及することを望む。それは北朝鮮国民の権利だ」
北朝鮮の人権問題をめぐっては、欧州連合(EU)と日本がICCへの付託を安保理に促す決議案の提出を目指している。
調査委員会は今年、北朝鮮の人権状況に関する報告書を発表。強制収容所や刑務所における人権侵害や、宗教を理由にした弾圧や飢餓といった問題を取り上げた。
会合では北朝鮮国連代表部の参事官が報告書を「根拠がない」と非難。国連は亡命者の話しか聞いておらず、脱北者は「人間のくず」だと述べた。