幼少期に誘拐された男性、24年ぶりに実父と再会 中国
香港(CNN) 中国で幼少期に誘拐された男性が、24年ぶりに実の父親と再会を果たした。
中国国営新華社通信によると、孫斌(スン・ビン)さん(28)は、4歳だった1991年、児童人身売買業者によって四川省の故郷から連れ去られ、遠く離れた東部江蘇省の家族に売られたという。
孫さんは13日、四川省成都の警察署で60歳の父親と再会し、さらに今まで一度も会ったことがなかった妹と面会した。警官が孫さんを父親に紹介すると、孫さんはひざまずき号泣した。父親は孫さんを抱きしめ、「男だろ、泣くんじゃない」と声を掛けたという。
孫さんは4歳だった91年、成都の野菜市場で行方不明になった。その後、孫さんの両親は、すべてをなげうって息子を探したという。
孫さんの母親は、四川省の他の都市や、周辺の省まで探しに行った。しかし、その母親は96年にがんと診断され、2011年に他界した。死の直前、母親はずっと息子の名前を呼び続けていたという。
一方、孫さんは、自分が養子であることは気付いていたが、自分の故郷がどこかは分からなかった。また、養父母に養子として引き取られた経緯を尋ねたこともなかったという。
しかし、成長するにつれ、自分の本当の家族を見付けたいという気持ちが強くなり、2014年10月、江蘇省の警察署にDNAサンプルを預けたところ、最近、DNAが適合する人を発見したと連絡を受け、今回の再会となった。
孫さんの父親はCNNのインタビューで、誘拐された子を養子にするという違法行為を犯した養父母を非難したが、「こうして息子が無事に戻ってきたので、彼らを告発しない」と付け加えた。