ネムツォフ氏殺害事件 容疑者5人を拘束、6人目は自爆
(CNN) ロシアの野党指導者ボリス・ネムツォフ氏が殺害された事件で、ロシア当局は8日までに容疑者5人を拘束した。6人目の容疑者は警察に包囲されて自爆した。
国営テレビ「ロシア24」が8日に伝えたところによると、ベスラン・シャバノフ容疑者(30)は7日午後、ロシア南部チェチェン共和国の首都グロズヌイでビルに立てこもった。警官隊がビルを包囲したが、同容疑者は手投げ弾などで抵抗した末に自爆したという。
ロシアのニュースサイト「スプートニク」によると、拘束された5人のうち、1人は「事件当時はいつも通り職場にいた。同僚らが証明できる」と、アリバイを主張している。
5人は南部・北カフカス地方出身とされる。モスクワの裁判所によると、現時点で正式に起訴されているのは2人。スプートニクは、このうちザウル・ダダエフ容疑者だけが罪状認否で有罪を認めたと伝えたが、具体的な罪状は明らかでない。
スプートニクなどによれば、ダダエフ容疑者はかつてチェチェン共和国内務省が管轄する警官隊の副司令官を務めていた。同容疑者と並んで最初に拘束が報じられたアンゾル・クバシェフ容疑者は、モスクワの警備会社に勤めていたという。
ネムツォフ氏は先月末、首都モスクワの大統領府近くで何者かに射殺された。プーチン大統領は事件について、ロシアに内紛を起こさせようとする過激派や反政府活動家らの仕業だと主張。これに対してネムツォフ氏の周辺や野党支持者からは、大統領と連邦政府の関与を疑う声が上がっている。