米、シリア穏健派に対ISISの軍事訓練 週内にも開始
(CNN) 米国防総省が週内にもシリア反体制派のうち穏健派に対する軍事訓練を開始することが分かった。複数の米国防関係者が明らかにした。
訓練はイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」と戦うためのもので、トルコとヨルダンの領内で行われる。
訓練を担当する米軍部隊の第1陣はすでに現地入りしている。訓練を希望する3000人の反体制派のうち約400人が基本的な身元調査をパスしたという。訓練への参加を正式に認められれば、小火器や無線、医療機器の使い方や戦術について学ぶことになる。
訓練を受けた反体制派はシリア各地の町や村に戻り、防衛の任に当たる。だが米当局者の間では、訓練で身につけた技術や与えられた武器が本来の目的とは異なるアサド政権との戦いに使われることを危惧する声も上がっている。
米国は訓練を行うほか、反体制派の兵士たちに武器やトラック、無線機器などを支給する計画だ。シリア各地に戻った兵士たちを、空爆などの形で米軍が保護するかどうかは決まっていない。
トルコ政府はすでにこの訓練計画について認めている。だがヨルダンについては、地域的に微妙な問題だけに公に認めることはないだろうと米政府はみている。
このほど訪米した反体制派組織「シリア国民連合」のトップ、ハーリド・ハウジャ氏はCNNの取材に対し、反体制派に対する米国の支援は「規模が小さすぎるし遅すぎる」と述べた。
ハウジャ氏は7万人強の自由シリア軍の兵士のうち、3万人に訓練が必要だと考えている。今回の米国主体の訓練計画では、年に訓練できる兵士の数は5000人程度の見通し。