旧ポル・ポト政権幹部のイエン・チリト氏死去、カンボジア
香港(CNN) カンボジアを1970年代に統治した旧ポル・ポト政権時代の人道に対する罪などに問われていたイエン・チリト元社会問題相が22日、同国西部のパイリンで死去した。ポル・ポト政権の虐殺行為を裁く国連支援のカンボジア特別法廷が発表した。
83歳だった。元社会問題相はこの他、虐殺、殺人、拷問や宗教的迫害の容疑も持たれていたが、2012年に認知症を理由に審理が停止されていた。
イエン・チリト氏は、ポル・ポト派の共同創設者であるイエン・サリ元外相の妻。同派でナンバー3の地位を得ていたとされる元外相も特別法廷に出廷していた2013年、87歳で死亡していた。
ポル・ポト派は1975年から79年までカンボジアを支配し、純然たる農業主体の社会創設を目指して過激な社会改革政策を導入。この過程で、当時のカンボジアの総人口の約4分の1に当たる国民少なくとも170万人を強制労働、飢餓や処刑などで死に追いやったとされる。