イスラム教国による対テロ連合、サウジ主導で結成
(CNN) サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン国防相は15日までに、テロとの戦いでイスラム教国34カ国が協力する連合を結成したと発表した。
同国防相は過激派という「病」と戦うために団結が必要だと強調。過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が広い地域を支配するイラク、シリア両国をはじめ、エジプトのシナイ半島、イエメン、リビア、マリ、ナイジェリア、パキスタン、アフガニスタンなどがテロの被害を受けていると指摘し、「戦いには大きな努力が必要だ。今後は力を合わせて取り組んでいく」と述べた。
連合の作戦本部はサウジの首都リヤドに置く。
ISISに対する掃討作戦ではこれまで、米国主導の有志連合が空爆を実施してきた。全体の約8割は米軍による空爆で、欧州諸国やカナダ、オーストラリアがこれを支援している。
有志連合には中東諸国10カ国も参加しているものの、空爆の回数は公表していない。国防総省によれば、アラブ諸国の半数はイラクやシリアでの空爆を全く実施していないという。
ある米当局者によれば、バーレーンとヨルダンはこの数カ月空爆を全く行わず、サウジやアラブ首長国連邦も月1回前後にとどまっている。
新たな連合の結成により、こうした姿勢に変化が起きる可能性がある。ただ専門家によれば、サウジをはじめとするアラブ諸国は国内にも相当数のISIS支持者を抱えていることから、テロの危険を最小限に抑えるため表立った動きを控える傾向に変わりはないとも考えられる。