EU残留支持の英議員、銃撃され死亡 国民に衝撃
ロンドン(CNN) 英イングランド北部で16日、野党労働党のジョー・コックス議員(41)が路上で銃撃され、死亡した。同議員は英国の欧州連合(EU)残留を支持していた。残留の是非を問う国民投票を1週間後に控え、国民は衝撃を受けている。
コックス議員は労働党のホープとして頭角を現していた。英国で現職の議員が殺害されたのは、1990年に過激派「アイルランド共和軍(IRA)」の自動車爆弾で保守党の議員が暗殺されて以来。
英PA通信によると、コックス議員はイングランド北部リーズ近郊の地元バーストールで集会を終えた直後、銃撃されて刃物で刺され、約1時間後に死亡が確認された。
ウエストヨークシャー警察によると、間もなく現場近くで男が拘束され、火器などの凶器が回収された。PA通信によれば、拘束されたのはトミー・メア容疑者(52)で、銃撃事件に関連して取り調べを受けている。
警察は、事件が起きた状況や犯行の動機などについて詳しいことは明らかにしていない。
しかし事件を目撃した現場付近のカフェ経営者はPA通信に対し、「男は銃撃の前後に2、3回、『英国を第一に考えろ』と叫んでいた」と証言。男が撃った銃弾3発のうち、最後の1発がコックス議員の頭部に命中したと話している。
別の目撃者によれば、地面に倒れたコックス議員を男が蹴りつけ、近くにいた男性に止められると、かばんから銃を取り出して議員を撃ったという。