英国のEU離脱、交渉開始時期めぐり首脳間に意見の隔たり
ロンドン(CNN) 英国が国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を選択したことを受け、離脱への準備をどう進めるかが注目されている。キャメロン英首相とEU首脳らとの間では、まず離脱交渉をいつ開始するかをめぐって意見が食い違っている。
EU残留を主張していたキャメロン首相は離脱派の勝利を受け、10月に辞任すると表明している。
EU加盟国の離脱手続きを定めたリスボン条約によると、離脱する国はその意思をEUに正式に通知した後、2年間の交渉期間に入ることになる。
キャメロン氏は27日の議会で、通知の時期について「その前に我々が望むEUとの関係を決める必要がある」「離脱へ向けた交渉は次期首相の下で開始される」と明言。離脱手続きを扱うため、まず内閣府や外務省、財務省当局者らを集めた準備委員会を設置すると発表した。
これに対してドイツのメルケル首相は27日、EU首脳会議のためブリュッセルを訪れる前の会見で「英国から通知を受ける前に非公式の話し合いを始めることはできない」と述べ、事前交渉の可能性を否定した。メルケル氏は、EUとして「膠着(こうちゃく)状態を望んではいない」としたうえで、「最初の一歩は英国が踏み出す必要がある」と強調した。
フランスのオランド大統領、イタリアのレンツィ首相もメルケル氏に同意し、英国はただちに手続きを開始するべきだとの見方を示した。