英国のEU離脱、交渉開始時期めぐり首脳間に意見の隔たり
EUへの通知時期をめぐっては、残留を支持していた英最大野党・労働党のコービン党首も「先送りにすれば英国がまひ状態に陥り、交渉が遅れるばかりだ」と述べて、迅速な行動を主張した。
ただ、コービン氏はすでに党内部のまひ状態に直面している。労働党では同氏の残留へ向けた運動が不十分だったとして不信任を表明する声が相次ぎ、「影の閣僚」を務める議員19人が辞任した。
英国の政治的混乱が深まるなか、首相の後任選びは難航が予想される。国内では離脱派指導者らに対する失望も広まっている。
離脱派は国民投票前のスローガンで、英国がEUに支払っている1週当たり3億5000万ポンド(約480億円)の拠出金を、国民医療サービス(NHS)の財源にすると主張していた。しかし投票後、その実現は保証できないと認めている。
次期首相の有力候補とされる離脱派のリーダー、ボリス・ジョンソン前ロンドン市長は26日、英紙サンデー・テレグラフに寄稿した国民投票後初の論評で、英国が「欧州の一部」であることに変わりはないと強調。「小差で過半数を獲得した側として、残留派の不安をぬぐうために全力を尽くさなければならない」「失望感や喪失感を覚え、混乱している国民がいることは明らかだ。手を差し伸べて和解し、橋を架ける必要がある」との姿勢を示した。