カナダ与党党首選、カーニー氏が勝利 米政権との対決姿勢を維持

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

カナダ与党の党首選、カーニー氏が勝利

(CNN) カナダの与党・自由党は9日、ジャスティン・トルドー首相の後任となる党首に、マーク・カーニー氏を選出した。カーニー氏はカナダ銀行(中央銀行)やイングランド銀行(英中央銀行)で総裁を務めた経歴を持つ。

カナダでは今年、10月までに総選挙が行われる予定となっており、カーニー氏は、総選挙で自由党を率いて野党・保守党と対決するとみられる。現在の世論調査では保守党がリードしており、選挙戦は厳しいものとなる可能性が高い。

カーニー氏はただちに自由党の党首に就任するが、トルドー氏はしばらくの間、首相の座にとどまる。

トルドー氏は10年以上にわたって自由党を率いており、2015年には自由党が政権を獲得した。その後も2度にわたり選挙に勝利したが、直近の21年の選挙では少数与党となっていた。

カーニー氏にとって即座に対処しなければならない課題の一つは米国との関係悪化だ。

米国のトランプ大統領は、カナダについて、不法移民の国内への流入を許しているとして繰り返し非難している。トランプ氏はまた、カナダが米国の「51番目の州」になるよう威嚇しているほか、カナダに対して高額の関税を課した。米国側はカナダに対する関税について、合成麻薬フェンタニルのカナダからの流入を食い止めるために必要だと説明している。

カーニー氏は投票結果を受けた最初の発言で、米国との緊張関係の高まりに言及し、カナダ政府は信頼できる貿易相手国と新たな貿易関係を築くと述べた。カーニー氏はまた、「米国が我々に対して敬意を示すまで」米国に対する報復関税を維持すると言明した。

カーニー氏はトランプ政権が掲げる関税計画を批判し、「トランプ氏はカナダの家庭や労働者、企業を攻撃している。我々はトランプ氏を成功させるわけにはいかないし、成功させない」と語った。

カーニー氏は「ホッケーと同様に貿易でもカナダが勝つだろう」と言い添えた。

米国との関係悪化の影響はカナダ社会にも広がっており、北米プロアイスホッケーNHLや米プロバスケットボールNBAの試合では観客が米国の国歌にブーイングする事態にまで発展している。

カーニー氏は今後、保守党の党首ピエール・ポワリエーブル氏と対峙(たいじ)することになる。ポワリエーブル氏は以前はトランプ米大統領とも比較された存在だったが、現在はトランプ氏からは距離を置いている。ポワリエーブル氏は9日の集会で、自由党の党首選を前に、カーニー氏について、トランプ氏に対処する準備が整っていない指導者だと批判した。

メールマガジン登録
見過ごしていた世界の動き一目でわかる

世界20億を超える人々にニュースを提供する米CNN。「CNN.co.jpメールマガジン」は、世界各地のCNN記者から届く記事を、日本語で毎日皆様にお届けします*。世界の最新情勢やトレンドを把握しておきたい人に有益なツールです。

*平日のみ、年末年始など一部期間除く。

「トルドー首相」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]