カナダ、米国に報復関税 トルドー首相が発表
(CNN) カナダは1550億カナダドル(約16兆円)相当の米国製品に対し25%の関税をかける方針を発表した。トルドー首相が4日の記者会見で明らかにした。
この日は米国によるカナダへの関税が発効。トルドー氏はこの措置を「全く正当化できない」とし、「米国はカナダに貿易戦争を仕掛けた。自分たちに最も密接な提携国、同盟国に対して、最も近しい友人に対してだ。同時に彼らは、ロシアとの前向きな連携について語り、(ロシア大統領の)ウラジーミル・プーチンに譲歩している。嘘(うそ)つきで残虐な独裁者に。筋が通らない話だ」と述べた。
トルドー氏の説明によると、300億カナダドル相当の米国製品には即刻関税をかけ、残る1250億カナダドル相当の米国製品への関税は21日以内に発効するという。
「カナダ人は合理的で礼儀正しい。だが我々は戦いから引き下がるつもりはない。我々の国とそこに暮らす全国民の福祉が危機に直面する場合は」(トルドー氏)
トルドー氏はまた、世界貿易機関(WTO)に提訴する意向も発表。ただその間、カナダによる関税は米国の関税が撤回されるまで維持されるとした。
米国が関税の理由として掲げる、違法薬物フェンタニルの対策にカナダが消極的だとの主張については、「全くの虚偽」であり、カナダから米国に流入するフェンタニルは全体の1%にも遠く及ばないとの認識を示した。