仏カレーの難民キャンプ、6900人の立ち退き作業開始へ
当局によると、難民キャンプの住人には24日午前8時から先着順で対応する。23日には複数の言語で住人に立ち退きを告げる通知を配ったという。難民は今週いっぱいかけて、バスでフランス国内の滞在施設に移動してもらう計画。宿泊場所と食事は保証するとしている。保護者のいない未成年は特別に配慮する。
一方、本国に戻ることを希望する場合は帰国便を手配る。また、欧州連合(EU)加盟国で既に難民認定を申請している場合は、その国に送り届ける。
キャンプに滞在する難民のほとんどはアフリカのスーダン、エリトリア、エチオピア、およびアフガニスタンの出身で、対岸の英国に渡る目的で数カ月から数年の間、同地にとどまっていた。内戦の混乱が続くシリアやイラクの難民も滞在している。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報道官は先にジュネーブで開いた記者会見で、フランス政府が難民のための適切な措置を取る限り、キャンプの撤去は歓迎すると表明。保護者のいない子どもは親族と再会できるよう、特別なはからいが必要だと述べていた。
国連によると、カレーにいる保護者のいない子どものうち200人は英国に親類縁者がいることが分かった。英政府はそうした子どもを受け入れると表明しているが、これまでに英国行きが実現したのは数人にとどまっている。