モスル奪還作戦、クルド人部隊が8キロ以内に迫る
イラク・モスル近郊(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に支配されているイラク北部モスルの奪還作戦で、同国北部クルド地域政府の治安部隊ペシュメルガは23日までに同市から8キロの地点に迫った。
モスル近郊では17日以降、ペシュメルガやキリスト教徒、イスラム教シーア派やスンニ派のアラブ人で構成する総勢10万人規模の混成部隊が村落を次々と解放し、予想を上回る速さで進軍を続けている。当局者や専門家は、モスル入りとともに激しい市街戦に突入するとの見通しを示す。
ペシュメルガの司令官は23日、モスル東方に広がる約100平方キロの区域で8つの村落を掌握し、市内へ通じる幹線道路の大部分を確保したと発表した。数時間に及んだ戦闘で、ISISの戦闘員数十人が死亡したという。
トルコのユルドゥルム首相は、この戦闘に援軍と兵器を送り込んで協力したことを明らかにした。
一方、モスル市議会の当局者は同日、地元情報筋の話として、近郊4カ所の村落で22日、解放を祝っていた住民ら約40人がISISに処刑されたと語った。
CNNに入った複数の情報によると、イラク軍は村落を奪還した後、ISISが引き返してきた場合に備える部隊を残留させずに進軍を続けるため、奪還後の治安が手薄になっている可能性がある。