米海兵隊、ノルウェーに駐留の承認要請 米ロ関係緊張続く
ワシントン(CNN) 米軍幹部は23日までに、北欧ノルウェーに対し米海兵隊部隊の駐留を認めるよう要請したことを明らかにした。同意を得られれば、北欧における北大西洋条約機構(NATO)の迅速な部隊展開に寄与すると強調した。
米軍欧州軍と同アフリカ軍の海兵隊司令官を務めるニール・ネルソン少将がCNNへの声明で公表した。ノルウェーに派遣する海兵隊は交替制にするとしている。
これに対しノルウェー国防省の報道担当者は声明で、同国にとって米国は長年の密接な同盟国であり、ノルウェー内における軍事演習や訓練への米国の参加は長期にわたって維持してきた安保政策での支柱と強調。合同演習に関する検討は一貫して続いており、米海兵隊部隊の交替制の駐留案は選択肢の1つでもあると説明した。
米海兵隊の第2海兵遠征軍の旅団は今年、ノルウェーで実施された合同軍事演習に他のNATO加盟国と共に参加していた。
ノルウェー政府が米海兵隊駐留を承認した場合、ロシアのプーチン大統領が反発する可能性が強い。
米国、ロシア両国関係は現在、シリア内戦への関与の在り方や米国内でのロシアによるハッカー攻撃疑惑などをめぐりぎくしゃくしている。欧州諸国とロシアの関係もロシアによる2014年のウクライナ・クリミア半島の併合やウクライナ危機などで対立が解けていない。米国やNATOは対ロシア関係の悪化と共にポーランドやバルト海諸国での軍事的存在感を高める措置に乗り出している。