先進国のテロ犠牲者、前年比650%の増加 世界テロ指数
世界経済が昨年、テロによってこうむった損失は896億ドル(約9兆8000億円)相当に上った。
IEPのスティーブ・キレリー会長は「全体の死者数が減少したのは良いことだが、テロが一部の国で激化していること、新たな国へ拡大していることが重大な懸念材料だ」と述べた。ISISの活動範囲となっている国は、14年の13カ国から28カ国に急増している。
キレリー氏はまた、テロが欧米民主主義の牙城でも発生していることに言及し、テロ組織の変化に応じた迅速な対応が必要だと指摘した。
IEPの報告書は、OECD諸国でのテロに大きくかかわる要因として、若者の失業や高い犯罪発生率、武器を容易に入手できる環境、選挙制度への不信感を挙げている。
キレリー氏は、イラクでISISに対する軍事作戦が成果を挙げていることを認める一方、欧州でのテロ続発にみられる通り、ISISに感化される人が後を絶たない現状が問題だと強調。軍事的手段のみのアプローチには限界があるとの見方を示した。