エジプト裁判所、ムルシ元大統領の死刑判決を破棄 再審へ
(CNN) エジプトの裁判所は15日、2011年の「アラブの春」の時に脱獄に関与したとしてムルシ元大統領に言い渡していた死刑判決について、破棄する判断を下し、裁判をやり直すよう指示した。ムルシ元大統領はアラブの春の後に選挙を通じて政権の座に就いたが、13年に軍の介入により失脚していた。
ムルシ元大統領のほか、「ムスリム同胞団」のバディウ団長ら100人以上の被告にも有罪判決が下されていたが、これらについても破棄された。
11年1月にエジプト各地の刑務所で発生した脱獄事件について、ムルシ元大統領がパレスチナのイスラム組織ハマスやレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの協力を得て、自身を含む受刑者2万人の脱獄に関与したとして訴追されていた。
ムルシ元大統領については、他の罪状で禁錮刑が言い渡されているが、死刑判決については今回破棄されたものが唯一だった。
ムスリム同胞団は軍が政権を掌握後、テロ組織だとして非合法化された。