韓国の朴前大統領、収賄などの罪で初公判
ソウル(CNN) 韓国の朴槿恵(パククネ)前大統領が収賄罪などに問われた裁判の初公判が23日、ソウル中央地裁で開かれた。審理には数カ月かかる見通しだ。
朴被告は今年3月に弾劾(だんがい)、罷免(ひめん)され、その直後に逮捕された。大企業から賄賂を受け取り、企業経営陣に寄付を強要し、民間人に機密情報を漏らした罪などで起訴されている。
この日は手錠をかけられ、紺色のスーツ姿で法廷に入った。弁護士らに向かってかすかに頭を下げ、判事に職業を聞かれると「職業はありません」と答えた。
朴被告が情報を漏らしたとされる友人の崔順実(チェスンシル)被告も職権乱用や詐欺の罪に問われ、同じ法廷内に座ったが、朴被告は視線をそらしている様子だった。
この裁判ではロッテグループ会長、辛東彬(シンドンビン)(日本名・重光昭夫)被告も贈賄罪で起訴されている。
初公判に先立ち、19日には傍聴券の抽選が実施された。一般向けの68席に対して約500人の希望者が集まった。韓国のメディアは裁判を大きく取り上げているが、公判の模様が放送される予定はない。
韓国の大統領経験者としては、1995年に全斗煥(チョンドゥファン)、盧泰愚(ノテウ)両元大統領が軍事クーデターに関与したなどとして裁判にかけられて有罪となり、収監された。2人は2年後、当時の金泳三(キムヨンサム)大統領による特別赦免で釈放されたが、これに対しては激しい抗議運動が起きた。