拉致のジャーナリストが遺体で発見、今年7人目 メキシコ
(CNN) メキシコ西部ミチョアカン州の検察は26日、1カ月以上前から行方不明になっていたジャーナリストが遺体で見つかったと発表した。
検察によると、遺体は同州ヌエバイタリアに埋められた状態で発見され、同地で仕事をしていたテレビ局の総局長、サルバドル・アダメ氏と判明した。
アダメ氏は5月18日に行方不明になり、武装組織に拉致されたとして家族が届けを出していた。
アダメ氏がジャーナリストで、職業に関連する脅迫を受けていたと報じられていたことから、州検察が捜査に乗り出していた。
ジャーナリスト保護団体のCPJが2016年4月にまとめた報告書によると、アダメ氏はテレビ局を共同経営する妻のフリダ・ウルティス氏と共に、政府が出資するプロジェクトの中止を求める抗議の座り込みを取材していたところ、地元警察に拘束された。
アダメ氏はCPJに対し、「私たちは社会問題を取材していて時折当局にうるさがられることもあるが、当局との間で問題を起こしたことはない」と話していた。
CPJによれば、メキシコでは2017年に入ってこれまでに、7人のジャーナリストが職業と直接的に関係する理由で殺害された。
その背景として、政府が十分な捜査を行っていないことや、犯人が摘発されないことが問題を深刻化させていると指摘。「麻薬密売組織は地方自治体当局に保護され、結託していて、ジャーナリストを殺害しても罪に問われないと基本的に認識している」と述べ、「彼らが情報の統制やジャーナリストに対する見せしめ、あるいはジャーナリストの検閲をしたいと思えば、訴追されることなく実行できる」と話している。