ロンドンで顔面への酸攻撃2件、激増し昨年は454件
ロンドン(CNN) ロンドン警視庁は5日までに、同市北部や北東部でファストフード店の配達員計2人が酸のようなものを顔面に浴びせられる事件が2件あり、10代の少年1人を逮捕したと発表した。
配達員の1人は重体で、失明の恐れがある。事件の発生は2日夕で、いずれもスクーターに乗った男2人に襲われていた。配達員が使っていた原動機付き自転車を奪い取ろうとしていたという。容疑者2人の連続的な犯行なのかなどを調べている。
ロンドンでは近年、類似の事件が激増。昨年の発生件数は454件で、15年の261件から急増していた。ロンドン東部での犯行が圧倒的に目立つ。
2日の最初の事件はウォルサムストー地区で起き、32歳の配達員の顔に酸のようなものが再三投げられていた。存命の危機にあり、目に深刻なけがを負った。失明する可能性が強いという。
ウォルサムストーでの事件から約30分後、北東部トットナムでも32歳の配達員が襲われた。同じく顔面に酸のようなものが浴びせられ負傷したが、命に別条はないという。
酸を使った事件多発を受け英政府は今年10月、未成年者への酸の販売や公の場所での腐食性液体の保持を禁止する措置を講じていた。一連の事件の多くでは雑貨店で簡単に入手できる清掃液などが用いられていたという。
ロンドンで過去に起きた酸の攻撃事件は加害者が男性、被害者が女性の構図が目立っていたが、最近は若い男性の間の発生が圧倒的に多い。ギャング組織間の抗争絡みの事例も再三あるという。