患者の肝臓に自分のイニシャル刻印、外科医認める 英国
(CNN) 英バーミンガムの病院で、ベテラン外科医が手術を担当した患者2人の肝臓に自分のイニシャルを刻印していたことが発覚して起訴され、裁判で罪状を認めた。
起訴されたのはバーミンガムにあるクイーン・エリザベス病院の勤務医だったサイモン・ブラムホール被告(53)。バーミンガムの刑事裁判所で行われた公判で13日、2013年に臓器移植を受けた患者2人の肝臓に、アルゴンビームを使って自分のイニシャルの「SB」の文字を刻んでいたことを認めた。
アルゴンビームを使った照射凝固法は、移植手術などで臓器を切除する際に、血流を止める目的で一般的に使われる。
いずれの患者も、ブラムホール被告がイニシャルを刻んだことによる被害はなかったと思われる。しかし英紙テレグラフの報道によれば、患者の1人が別の合併症を起こしたために対応処置を行ったところ、SBのイニシャルが発見された。
ブラムホール被告は2013年に停職処分となり、14年に病院を退職。傷害罪で起訴され、それよりも罪の軽い暴行罪について13日の公判で罪状を認めた。現在は保釈金を払って保釈され、1月12日に判決が言い渡される。
検察は同被告の行為について、「倫理的に誤っているだけでなく、刑法にも違反する」「患者が同医師に寄せた信頼が裏切られた」と指摘した。
この事件についてブラムホール被告は2014年の退職後にBBCの取材に応じ、「過ち」を犯したと告白していた。
同被告側のコメントは得られていない。