49%がヒジャブ強制に反対、世論調査公表の意図は イラン
(CNN) イラン国民のほぼ半数は、女性の服装が政府によって規定されることに反対している――。女性に対して公共の場でイスラム教のベール「ヒジャブ」着用を義務付ける法律に対して反発が広がる中、イラン大統領府がそんな世論調査結果を突如として公表した。
この調査結果は、大統領府の調査機関であるイラン戦略研究センターが4日に発表した。数日前には首都テヘランで、ヒジャブ着用義務付けの法律に対する抗議デモに関与したとして、29人が逮捕されたばかりだった。
イランではこの数週間、生活費の高騰や景気低迷に対する不満の高まりを背景として、女性が公共の場でヒジャブを脱ぐ抗議運動が全土に広がっていた。
意識調査は同法が施行されてから数十年後の2014年、イラン学生世論調査機関が男女を対象に実施。政府による介入の是非を巡り、ヒジャブ着用は個人的問題かどうかを尋ねた。
その結果、回答者1167人のうち49.2%が、ヒジャブ着用は個人の問題だと答えた。今回発表されたのは、この時の調査結果だった。
イランに詳しい専門家はこれについて、「ロハニ大統領が、国民の声に耳を傾ける人物として自分を見せようとしているのかもしれない」と解説する。
一方で別の専門家は、「ロハニ大統領は、改革の呼びかけを通じてこの報告書を支持することはしていない。声明なしにこうした報告書を公表するというあいまいさには疑問が残る」と指摘している。