「中国のレーザー照射で米兵負傷」、米政府が抗議 ジブチ
(CNN) 中国軍が初の海外拠点として東アフリカのジブチに設置した軍事基地からレーザーを使って米軍機を妨害し、複数の米軍パイロットを負傷させたとして、米国務省が外交ルートを通じて中国政府に抗議した。米軍当局者2人がCNNに明らかにした。
米国防総省のダナ・ホワイト主席報道官は3日、中国に対し、この問題について自ら調査を実施するよう申し入れたことを確認。「我々のパイロットが真の脅威にさらされている」と位置付け、この数週間で事態は深刻化しつつあるとの認識を示した。
CNNが入手した米軍パイロットへの通知によると、ジブチでは過去数週間で複数回にわたり、同地の米軍基地所属の米軍機に対してレーザーが照射される問題が相次いだ。
このうち1回は、近くの中国基地から照射されたと伝えられる軍事用レーザービームによって、飛行中のC130輸送機の乗員2人が目に軽傷を負ったとしている。
通知ではパイロットに対し、ジブチで特定の空域を飛行する際は注意するよう呼びかけた。
米軍当局者2人はCNNの取材に対し、こうした行為は重大な事故を生じさせかねないとして、強い懸念を示した。米国務省は中国政府に対し、こうした行為をやめるよう申し入れたという。
米国防当局者は、中国が南シナ海でもレーザーを使って米軍機を妨害しているとの見方を強めている。
ジブチでは先月、航空機が絡む事故が相次いだことを受け、米軍が一時的に作戦の中断を余儀なくされていた。同地はテロ掃討作戦の要衝となっているが、作戦の中断はジブチ政府の要請を受けた措置だった。