IAEA、北朝鮮の「核開発継続」に懸念示す
ワシントン(CNN) 国際原子力機関(IAEA)は20日に発表した最新の報告書で、北朝鮮が核開発を継続しているとの見方を示し、「重大な懸念」を表明した。
IAEAは報告書の中で、北朝鮮の軍事施設に直接立ち入ることができないため、情報は限られていると認める一方、衛星画像による監視を強化して情報収集に努めてきたと強調した。
報告書は、北朝鮮北西部の寧辺(ヨンビョン)核施設などでここ数カ月間に観測された核関連活動を挙げ、詳しく説明している。
具体的には、核燃料棒製造棟で冷却装置が使われ、車両が移動するなど、遠心分離機によるウラン濃縮技術が使われた兆候や、実験用原子炉で水蒸気や冷却水が放出されるなど稼働の兆候がみられた。
核燃料の再処理に関連する研究施設では、蒸気施設の稼働が確認された。ウラン鉱山や関連施設として登録された場所で採掘、製錬作業が続いていることもうかがえるという。
北朝鮮は6月の米朝首脳会談で「完全な非核化」に向けた努力を約束した。しかしポンペオ米国務長官は先月、上院外交委員会の公聴会で、北朝鮮が核物質の生産を続けているとの認識を示した。同氏はさらに、米朝間の非核化交渉の先は長いとも話していた。