米ロの宇宙協力関係に亀裂の兆し、ロシアトップが陰謀説
モスクワ(CNN) ロシア国営宇宙開発企業ロスコスモスのトップが、国際宇宙ステーション(ISS)のロシア区画で一時的に圧力が低下した事態について、ISS破壊工作を狙う外国の陰謀だったとの見方を示唆した。
米航空宇宙局(NASA)によると、地球軌道を周回しているISSの圧力低下は先月、米ロ双方の管制官が検出した。乗員に危険が及ぶ事態には至らなかった。
乗員が調べた結果、ロシア側の施設に小さな穴が見つかり、これが原因で圧力がわずかに低下していたことが判明。工業用のカプトン粘着テープを使って応急的に流出を防止した。
この時点でロスコスモスは、ISSの圧力は安定しており、それ以上の流出箇所は見つかっていないと発表していた。
ところが今月に入ってロスコスモスのトップ、ドミトリー・ロゴジン氏は、流出の原因について、事故や製造上の欠陥のほかにも考えられる可能性はあるとの見方を示した。
国営通信によると、ロゴジン氏は「宇宙における計画的行動だった可能性も排除していない」と発言。「ドリルで何度か衝撃を加えようとした」形跡があると述べ、ドリルは上滑りしていて不安定な様子がうかがえると語った。
米ロはISSに関しては長年の協力関係を維持してきた。米国の宇宙飛行士はロシアの宇宙船ソユーズを使ってISSとの間を往復している。現在滞在している宇宙飛行士は米国人3人とロシア人2人、ドイツ人1人。