北朝鮮、米に「核の脅威」排除を要求 非核化の前提条件に
(CNN) 北朝鮮の朝鮮中央通信は20日、米国が「核の脅威」を排除しない限り、北朝鮮も核兵器の廃棄には応じないとする論評を伝えた。
朝鮮中央通信の論評では、「朝鮮半島の非核化の適切な定義とは、我々の核能力を除去する前に、北朝鮮に対する米国の核の脅威を完全に除去することだ」と伝えている。
米国と北朝鮮の交渉は、北朝鮮が制裁緩和と引き換えにどう非核化を進めるかを巡って膠着状態にある。
米国務省のポンペオ長官は20日、「非核化に向けた金委員長の約束の実行に引き続き取り組む」としながらも、北朝鮮に関する米国の状況が、1年前より改善したことは「間違いない」と主張。カンザス州のラジオ局KNSSに対し、「ミサイル実験も核実験も行われていない。状況は今の方が良くなった」と強調した。
ポンペオ長官はさらに、「既に北朝鮮を3回か4回訪問した。今後も会談は継続し、新年には年明けからそれほどたたないうちに、トランプ大統領と金委員長が会談できることを望んでいる。米国に対するこの脅威を取り除くことについて、一層の進展があるだろう」との見通しを語った。
朝鮮半島への核兵器配備について、米国防当局者は「核兵器の場所についてはコメントしない。だが、90年代初めにジョージ・H・W・ブッシュ大統領は、海外に配備した海上と陸上の戦術核兵器を全て撤去すると発表した」と指摘する。
朝鮮中央通信は、「朝鮮半島について協議する場合、我々の領土のみならず、米国の核兵器と部隊が侵略目的で配備されている韓国も網羅される。朝鮮半島の非核化について協議する場合、それは核の脅威の全廃を意味すると、(米国は)認識する必要がある」と伝えている。
さらに、朝鮮半島の完全な非核化に向け、「南北のみならず全ての周辺地域から」、核の脅威を取り除くべきだと主張した。