違法開発の炭鉱が水没、作業員15人の救出難航 インド
(CNN) インド北東部のメガラヤ州で、違法に開発された炭鉱に河川の水が流れ込んで坑道が水没し、坑内にいた作業員15人が2週間近く閉じ込められている。
度重なる河川の氾濫(はんらん)で救助作業は難航し、作業員の生存が危ぶまれる状況になった。
炭鉱は今月13日、近くを流れる河川の増水によって坑道が水没した。深さは推定約97メートル。15人は底部にいると思われる。
現場には国家災害対策当局の潜水士も含めて80人以上の救助隊が出動し、ポンプで水をくみ出す作業を続けている。しかし20日の豪雨で再び河川が増水し、鉱山に水が流れ込んだ。
メガラヤ州の当局者は26日、記者団に対し、「こうした事態は誰も予測していなかった」としながらも、「政府には試み続ける義務がある。希望はある。単純にあきらめたりはしない」と強調した。
炭鉱が違法開発だったことも、救出活動の妨げとなっている。
災害対策当局によると、正規の鉱山であれば、非常事態を想定してトンネルの配置や安全な場所を記した地図の作成が義務付けられている。しかし今回の炭鉱ではそうした地図が作成されていなかった。
炭鉱は同州の密林の中に建設され、ラットホールと呼ばれる方式で石炭を採掘していた。この方式は2014年、健康や環境に対するリスクを理由にメガラヤ州によって禁止されたが、今も州内の一部で使われている。
メガラヤ州はインドでも有数の石炭埋蔵量を誇り、何十年にもわたって違法採掘が横行している。州政府は、石炭の埋蔵量を5億7600万トン超と推計している。