タイ南部に台風上陸、リゾート島で数千人が足止め
タイ・クラビ(CNN) 台風1号(パブーク)が4日、タイ南部沿岸に上陸した。当局は上陸を前に航空便やフェリーの運航を全面停止し、リゾート島などでは数千人が足止めされた。
米軍合同台風警報センター(JTWC)によると、台風1号は現地時間の午後3時30分ごろ、ナコーンシータマラート県パクパナンに上陸。最大風速は約26メートルに達した。
台風1号は南部ナコーンシータマラート県パクパナンに上陸/CNN
影響を受けると予想されている人気観光地は、タイランド湾のサムイ島やパンガン島、タオ島、アンダマン海のプーケット島やピピ島など。
サムイ島で足止めされている米国人観光客の女性(26)はCNNの取材に、「すごく怖い。何が起きるか分からないし、島を離れる方法もない」と語った。
南部スラートターニー県の埠頭を波が襲う=4日/LILLIAN SUWANRUMPHA/AFP/AFP/Getty Images
女性は夫の30歳の誕生日を祝うため、家族でサムイ島を訪れていた。4日の便に乗る予定だったが欠航となり、フェリーも運航停止になった。地元当局から嵐や対処方法に関する情報が何もないという。
サムイ島の当局責任者はCNNの電話取材に、島には約2万人の観光客がとどまっていると説明。「島は今、本土から完全に切り離されており、本土に向かうあらゆる交通機関は昨日から停止している」と話した。ただ食料などの備蓄品は十分あるという。
嵐による欠航で観光客も足止めを食う/LILLIAN SUWANRUMPHA/AFP/AFP/Getty Images
残された人々は台風を乗り切る準備を行った。サムイ島では、住民が木の板で自宅を補強する作業に当たった。
ただ、最も影響を受けるとみられるのは、小さな島に滞在する人々だ。パンガン島とタオ島の責任者はCNNに対し、タオ島は遠隔地であることから、緊急救助活動が一段と難しくなるだろうと懸念を示した。パンガン島に残っている観光客は1万5000人、タオ島では約4000人だという。