東南アジアで新種の生物157種発見、多くは既に絶滅の恐れ WWF
(CNN) 米アイドルグループ「イン・シンク」のランス・バスさんのようなヘアスタイルのコウモリ、映画「スター・ウォーズ」の登場人物にちなんでスカイウォーカーと名付けられたテナガザル、映画「ロード・オブ・ザ・リング」の世界から来たようなヒキガエル――。世界自然保護基金(WWF)は、そんな新種の生物157種が、東南アジアのメコン川流域で見つかったと発表した。
昨年発見された新種の内訳は哺乳類3種、魚類23種、両生類14種、爬虫(はちゅう)類26種、植物91種。カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムで、遠隔地の山岳地帯やジャングルの密林、川や草原などから見つかった。
WWFの専門家によると、この地域にはまだ未発見の種も数多く存在すると思われる。しかしそうした生物は気候変動や密猟、野生生物の違法取引によって絶滅する恐れがあると専門家は指摘、「メコン川流域の種の多様性を守るためには、広大な保護区の指定や野生生物の違法取引阻止に向けた対策の強化が求められる」と訴えている。
今回報告された新種も、多くは固体数の減少や絶滅の危機に瀕している。
カンボジアで見つかった竹の一種は森林伐採に脅かされ、ラオスで見つかった薬草の一種は石灰岩の採掘によって絶滅の恐れがあるとされた。
新種の哺乳類のうち、テナガザルの一種「スカイウォーカー・フーロック・ギボン」は2017年に発見された。しかし生息地の減少や狩猟によって、既に絶滅危惧種に分類されている。
WWFによると、ラオスやミャンマーは罰則の強化や市場の摘発などを通じ、野生生物の違法取引に対する取り締まりを強化している。しかし密輸業者は野生生物を簡単に捕獲し、国境を越えて輸送できてしまう状況にあるという。