北極圏の温暖化、「前例ない」期間で進行 米NOAA

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北極圏では、前例のない温暖化が記録上最も長い期間にわたって続いているという/NOAA ESRL

北極圏では、前例のない温暖化が記録上最も長い期間にわたって続いているという/NOAA ESRL

(CNN) 米海洋大気局(NOAA)は11日、北極圏の環境について、複数年にわたって前例のない温暖化が進行するという、「過去のいかなる記録にもみられない」現象が起きているとする見解を明らかにした。

北極圏に関する年次報告書の2018年度版で述べた。

報告では、人間の活動に由来する気候変動が北極圏の環境を変質させていると指摘。具体的には海氷の縮小、野生生物の個体数の減少、藻の異常発生といった事象を挙げた。

北極圏の気温は、地球全体の平均の2倍を超える速度で上昇している。北緯60度以北の今年の気温は、1981~2010年の平均よりも1.7度高かった。これは16年に次いで記録上2番目に温暖な年だったことを意味する。

14年からの5年間の気温は、記録をとり始めた1900年以降のどの期間をも上回る水準にある。北極圏の気温は自然の変動によって数十年単位で大きく上下するが、2000年以降は一環して高止まりの状態が続いていると報告書は結論している。

報告書の一部を執筆したジョージア大学のトーマス・モート氏は、CNNの取材に答え「北極圏で認められる変化はあまりに急速で、人間が大気の性質に及ぼす影響を抜きにしては説明できない」と強調。自然のサイクルに基づく変化であれば、気温上昇や海氷の縮小といった現象にはもっと長い年月がかかると述べた。

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