ロイヤル・ダッチ・シェル、幹部報酬とCO2削減目標を連動
ロンドン(CNN usiness) 英蘭系石油大手のロイヤル・ダッチ・シェルは3日、企業幹部の報酬と短期的な二酸化炭素(CO2)の削減目標を連動させる考えを明らかにした。こうした取り組みはエネルギー大手としては業界初の事例とみられる。
イングランド国教会や資産運用会社ロベコといった大株主からは二酸化炭素削減に向けて取り組むようシェルに圧力がかかっていた。こうした株主からは、同社が掲げていた2050年までに排出量を半減させるという目標について不十分だとの声が出ていた。
シェルは声明で、3~5年をカバーする削減目標を設定すると述べた。目標は年率で示され、2050年まで設定する。
具体的な数字については明らかにしていない。株主は2020年まで企業幹部に対する報酬の変更について投票を行えないとしている。
32兆ドルの運用を行っている「Climate Action 100+」はシェルとの共同声明で、同社の取り組みを強く支持すると表明した。
地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の始動に向けて運用ルールの策定を目指す国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP24)がポーランドで開催されている。
大手企業による二酸化炭素排出量削減の動きは、パリ協定の目標実現に向けた各国の取り組みにとって追い風となりそうだ。パリ協定では、気温の上昇を産業革命前と比較して2度未満にすることを目指している。