英国の夏の気温、2070年までに5度超上昇か 気象庁が警告
(CNN) 英気象庁は26日、温室効果ガスを適切に削減しない場合、英国の夏の平均気温が2070年までに最大5.4度上昇すると警告する報告書を発表した。
今世紀の終わりまでにロンドンの海水面が最大1.15メートル上昇する可能性があり、英全土で洪水の危険性が高まるという。
この数字は気候変動における最悪のシナリオを反映したもの。最悪のシナリオでは今世紀中、世界的に温室効果ガスの排出量が上昇し続けることを想定している。
地球温暖化対策の国際的なルール「パリ協定」の目標が達成された場合、世界的な気温の上昇は産業革命前と比較して2度未満となる。
最も楽観的なシナリオでは、英国の平均的な年間の気温は2100年までに最大2.3度の上昇が予想されている。ロンドンの海水面の上昇は最大70センチメートル。
英国は今年、史上最も暑い夏を経験した。しかし、今回発表された報告書の最悪のシナリオでは、こうした暑さが2050年までに当たり前のことになり、同様の水準の気温になる可能性は毎年50%に達するという。
英政府は、将来的に温室効果ガスの排出ゼロを目標とすることを検討している。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は10月、早ければ2030年にも気温が産業革命前よりも1.5度上昇するとの見通しを明らかにしている。