英国への帰還望むISIS戦闘員の妻、男児を出産
(CNN) 15歳で英国からシリアへ渡り、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」戦闘員の妻となりながら現在は帰国を望んでいる女性が、シリア北部の難民キャンプで男児を出産した。
この女性はシャミマ・ベグムさん(19)。2015年に英ロンドン郊外のガトウィック空港から、同級生と3人でシリアへ渡った。
英紙タイムズが今月13日、難民キャンプで見つかったと報じて注目を集めた。ベグムさんは妊娠9カ月で、英国で出産したがっていると伝えられた。
家族の弁護士が17日、ベグムさんの出産を発表し、母子ともに健康との見方を示した。
ベグムさんは出産の数時間後、英スカイニュースとのインタビューで、シリアでの経験を語った。
ISISの残虐行為については渡航前から知っていたが、「イスラム教上は全て認められていると聞いたので、私は構わないと思った」という。自身は戦闘員と結婚して専業主婦になり、「危険なことは全くしなかった」「人々にシリア渡航を勧めたこともない」と強調した。
渡航後に子どもを2人産んだが、栄養失調と病気で2人とも亡くなったという。
自分の決断を後悔してはいないと話し、「そのおかげで私は強くなった」と振り返る一方、状況が厳しくなって耐えられず、逃げ出すしかなかったと話した。ISISについては「もう終わりだ」「どんどん小さくなり、圧政や腐敗がまん延している。勝てなくて当然」と語った。
英国では、ベグムさんの帰国を認めるべきかどうかをめぐって論争が起きている。ジャビド内相は「ISISのような組織に参加した人物の帰国は、躊躇(ちゅうちょ)なく阻止する」と明言した。