シリアの最後のISIS支配地域、クルド人部隊が奪還作戦開始
(CNN) 米軍の支援を受けて過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」と戦ってきたクルド人主体の部隊「シリア民主軍(SDF)」が9日、シリアで最後に残ったISIS支配地の奪還作戦を開始した。
最後のISIS支配地は、シリア東部の町バグズ・ファウカニの西側の一角にある。SDF部隊は午後6時に大砲や重機関銃による攻撃を開始し、米軍主導の有志連合軍が上空からこれを援護している。
前線から約1.5キロの地点にいるCNN取材班が複数のSDF司令官から得た情報によると、ISIS側の抵抗はとんどみられず、一部の戦闘員が投降を望む一方、死ぬまで戦う覚悟の戦闘員もいるという。司令官らは、夜明け以降に抵抗が強まると予想している。
SDFは作戦開始に先立ち、町には民間人1500人と歴戦のISISメンバーら500人がいるとの見方を示していた。作戦の予告を受けてさらに数百人の住民が退避したとみられ、9日の時点で何人残っていたかは明らかでない。
SDFの司令官は、たとえこの作戦が成功してもISISが完全に撲滅されるわけではないと警告。ISIS支配から解放された地域にもまだ潜伏中の残党グループはいると指摘している。