米上院がアフガン、シリア撤退に反対する法案を可決
(CNN) 米上院は5日、トランプ米大統領に対し、アフガニスタンとシリアのテロ組織が壊滅するまでは米軍撤退を急がないよう求める法案を可決した。
法案は与野党双方から幅広い支持を受け、賛成77、反対23で可決された。
シリアに新たな制裁を科し、同国に隣接するイスラエル、ヨルダン両国との軍事同盟関係を強化する条項も盛り込まれている。
同法案にはさらに、米国の各州などがイスラエルに対するBDS(ボイコット、投資引き揚げ、制裁)運動を取り締まるための法律を制定しやすくする条項も加えられた。
野党・民主党の一部議員からはこの条項をめぐり、BDS運動を支持する国民の言論の自由が侵害されるとの反対意見も上がった。議員らは与党・共和党が民主党の反対票を誘うため、あえてBDS条項を追加したと批判した。
採決では民主党47人のうち、22人が反対票を投じた。2020年大統領選への出馬を表明したり、検討していたりする民主党議員の大半が反対に回った。
法案は共和党のマコネル院内総務が提出していた。マコネル氏は先週の審議で、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」や国際テロ組織アルカイダはまだ打倒されていないと主張。米国は安全保障上の国益のために駐留を続ける必要があると訴えていた。
ただし民主党主導の下院は、この法案を審議することに消極的な姿勢を示しているため、法案が無修正のまま成立する可能性は低いとみられる。