米中央軍司令官、シリア撤退に反対 トランプ氏と見解相違
オマーン・マスカット(CNN) 中東などを担当する米中央軍のジョセフ・ボーテル司令官は15日、トランプ米大統領が昨年12月に示したシリア駐留米軍の撤退方針には同意出来ないとし、過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の勢力は決して敗北に追い込まれた状況にはないとの見方を示した。
中東オマーンからCNNの取材に応じて表明した。ISISを敗北させたなどと宣言したトランプ氏のシリア情勢の認識とは大きく異なる見解となっている。
ボーテル司令官は、シリアで米軍が支援する武装組織は自力でISISの脅威に立ち向かう準備が出来ていないとも指摘。ISISの指導者、戦闘員、同調者や資金源などは依然存在しており、米国の軍事的な存在感の維持が掃討戦を続ける上で必要と主張した。
ISISが敗北を喫したとの宣言は、脅威がもはやないと確信するまで保留するとも強調。米国や同盟国に対する陰謀や直接的な攻撃を仕掛ける能力を有していないと確信する段階まで待ちたいともした。「彼らはまだ非常に強力なイデオロギーを持ち、鼓舞させる力がある」とも述べた。
トランプ氏の駐留米軍の撤退方針については「率直に言うなら、そのような示唆はしないだろう」と語った。同司令官は以前、大統領の撤退宣言について事前の相談はなかったことを明らかにしていた。
トランプ氏の撤兵方針は連邦議会などでも反発を買った。マティス前国防長官や国務省高官も辞任に踏み切っていた。