過去の救援物資見つかる、責任者を解任 地震被害のプエルトリコ
プエルトリコ・ポンセ(CNN) 昨年末からの地震で大きな被害が出ている米自治領プエルトリコ南部の町で、倉庫に放置されたままの救援物資が見つかり、緊急事態対策当局のトップが解任された。
南部ポンセの倉庫から18日、大量の飲料水などが見つかった。バスケス知事によると、2017年のハリケーン直撃で持ち込まれた物資とみられる。バスケス氏は同日中に責任者のカルロス・アセベド氏を解任し、州兵長官を後任に指名した。
町の住民が倉庫に押しかけ、当局に物資の配布を求めた。現地のCNN系列局によると、同日午後には被災者が倉庫の前に列をつくり始めた。
アセベド氏は当局を通した声明で不手際を否定し、物資配布を積極的に進めていると主張した。
同氏によると、昨年のハリケーン接近と干ばつで600パレット分近い飲料水を配布したが、約80パレット分は賞味期限切れのため倉庫に残っていた。処分の指示も出ていなかったという。
ボトル入り飲料水などの物資で一杯の倉庫/Rafy Rivera/CNNE
バスケス氏はローマン州務長官に調査を命じ、48時間以内に結果を報告するよう指示。「南部への物資運搬に数千人が出動する一方で、倉庫に物資が放置されていたことは許せない」と述べた。
プエルトリコ南部では、ポンセなど3町で計8000人余りが屋外避難施設での生活を強いられている。中には自宅の壁や屋根が崩壊することを恐れ、帰れなくなっている住民もいる。