感染対策で米国人への検問態勢を強化 メキシコ北部の国境州
メキシコ市(CNN) 米アリゾナ州と国境を接するメキシコ北部ソノラ州は5日までに、米独立記念日(4日)に伴う休暇シーズンを受け、新型コロナウイルス予防策として入国する米国人らの検問態勢を強化し、健康診断も実施する対策を始めた。
認められない用途での越境阻止が狙いで、ソノラ州知事は声明で週末をメキシコ内で過ごすことを求め、新型コロナ対応策の多大な負担を後に残しかねない米国内の居住者の到来を防ぐのが目的と言い切った。
米政府はこれまで、メキシコからの不法移民の流入を阻む強硬策を打ち出していたが、新型コロナの感染拡大を受け双方の立場が逆転したかのような事態ともなった。
両国は今年3月、国境越しの往来について必要不可欠でない訪問は禁止することで合意。この措置は少なくとも今月下旬までは続く見通し。貿易や治療上の必要性がある場合は越境が認められる。
ただ、メキシコのロペスオブラドール大統領は3日、重要でない理由でアリゾナ州からソノラ州へ入る多数の事例が最近起きたとし、今回の検問強化などに合意したとした。
検問強化は一般道路や高速道路上の入国地点で実施される。人気の観光地でも警戒を強めるとしている。
アリゾナ州では最近、新型コロナの感染者の急速な拡大が目立つ。州内の病院の集中治療室の収容能力も限界に近いともされている。一方、メキシコ内での感染被害も悪化し続けており、ソノラ州では先月の感染者数が倍以上の水準になっていた。