フランスが賭けに出た「ワクチンパス」、義務付けの効果は

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ヘルスパスに反対するデモ参加者=8月7日、パリ西部のヌイイシュルセーヌ郊外/STEPHANE DE SAKUTIN/AFP via Getty Images

ヘルスパスに反対するデモ参加者=8月7日、パリ西部のヌイイシュルセーヌ郊外/STEPHANE DE SAKUTIN/AFP via Getty Images

ワクチン接種の予約はマクロン大統領が7月12日に演説を行った直後から急増し、予約サイト経由で受け付けた予約は24時間で100万件に上った。ワクチン接種率の増加や、コロナパスに関連した検査数の急増、デルタ変異株が猛威を振るう地域でのマスク着用義務付けなどが奏功してフランスは、欧州や米国を覆った感染拡大の第4波をほぼ免れることができた。

ヘルスパスが導入されてから1カ月たった時点で、保健機関の統計によれば、夏にかけて増えていた病院や集中治療室(ICU)の入院患者数は、全般的に減少した。このまま減少傾向が続くかどうかはまだ見極めている段階だが、専門家の多くは慎重ながらも楽観的な見方を示している。

フランスのワクチン接種率は世界の中でも高い水準にあり、アワ・ワールド・イン・データの統計によると、フランス国民の73%が少なくとも1回の接種を済ませている。

8月30日現在、ヘルスパス法の対象となる接客業などの従業員や利用客は、入場の際にヘルスパスの提示を求められる。フランスで180万人近い労働者がこの対象となる。

パリのゲーム会社に勤務する27歳の女性は当初、ワクチン接種に抵抗があり、3日ごとに検査を受けて上司に提示していたが、8月にヘルスパスが法制化されたことでそのやり方は非現実的になった。自身は仕方なくワクチンを接種したが、今も接種に抵抗する人たちがどうなるのか不安があると打ち明け、「ワクチンを接種しない人たちが違った扱いをされないよう、慎重になる必要がある」「そうした人たちを責めてはいけない」と語った。

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